投資家として10年以上も活動しているサラリーマンが、銘柄を紹介している記事です。
今回はエスクリという、ブライダル業界の会社となっています。
もともとこの会社は、他の投資ブロガーさんが株を買っているのを見て、興味をもったのがキッカケでした。
すでに5年以上は保有しており、付き合いの長い株となっています。
株価的には、ようやく最近すこし見直されてきた感じでしょうか。
まあ、まだまだ低迷してますけどね…
エスクリの理論株価と企業分析
はじめに管理人が独自に算出している理論株価を記載します。
自分はこれを元に株を買ったり売ったりしているのです。
理論株価 1312円
(理論株価はDCF法を元に独自のアレンジを加えてあり一般的な理論株価よりも低く出る傾向があります)
理論株価をみてみると、現在の株価は割安ですね。
人気が無いのが、よくわかります。
長期投資家としては人気がないと、むしろ安心できたりしますが…
ではでは続きまして、企業分析に入っていきます。
【2196】エスクリの企業分析
このエスクリという会社はいまでは見る影もありませんが、そのむかし成長株投資家のあいだで注目されていた時期もあったのです。
それが数年前の決算で大幅な減益をだし、さらに株主優待も改悪して、ますます人気がなくなりました。
実のところ自分も、大暴落のときに撤退を検討したんですよね。
しかし継続保有することを決めて、現在も株を保有しています。
まだまだ、傷は癒えていませんけどね…
自分が株を売って撤退しなかったのには、いくつかの理由があります。
理由の一つは、利益は大幅に減りましたが、引き続き売上が伸びていたからです。
成長企業において売上の減少は赤信号であることが多いのですが、それがまだ点灯していなかった事が一つめの理由になります。
もう一つは株価下落が起きた時の、IRの内容からです。
この時に会社側は、急速な業務拡大により人員不足が起き、さらに人員の育成も追いついていなかったのが減益の理由であると公表しました。
それに伴い、拡大路線の一時休止を行い、人員の増加と既存店を強化することに軸を移すと計画が修正されました。
世間的には、この発表についてマイナスの評価を下したようです。
しかし管理人は、自分達の経営方針に問題があったと明確に認めて、直ちに計画を修正すると決めた経営陣はとても素晴らしいと思っています。
世の中の会社はうまく行ったことをすべて自分達の手柄とする一方で、減益等の悪い内容は景気や国際情勢のせいにする企業が多いからです。
素直に経営方針に誤りがあったと認めて、方向性を転換できる経営陣はなかなかいません。
これがエスクリの株を、今後も保有することを決めたもう一つの理由となります。
この経営陣に支えられたエスクリは、ブライダル業界という競争の激しい中でも生き残っていけると考えました。
ブライダル業界に投資した理由
ここからは自分が、ブライダル業界に注目した理由を書いていきたいと思います。
実のところ管理人もむかし結婚式を開いたことがあるのです。
その時に「いい商売をしているなぁ」と感じたものです。
ご自身で結婚式を開催した方は経験があるかもれませんが、ブライダル業界は典型的なオプション商法を行なっています。
ドレスにお花、写真等などと、後からあとから費用が追加されていきます。
良いか悪いかは別として、料金形態が複雑である業界は他社との比較がしにくく、価格競争に巻き込まれにくいのです。
仮にメインの式場価格で競争になったとしても、ドレスレンタル料や料理などで利益を上げることが出来ます。
さてここで少し話しが変わりますが、管理人は牛丼が大好きです。
その牛丼業界で「すき家」が台頭したのも、このオプション商法が理由の一つであると考えています。
吉野家は牛丼単品がメインであるのに対して、すき家は卵やサラダなどのセットや、チーズなどのトッピングをしている人が多い印象です。
そのため牛丼ー並盛り単品で、はげしい価格競争がおきましたが、すき家はセットやトッピングで利益をあげることができ、吉野家にくらべてダメージが少なかったのです。
まあ今では吉野屋もセットを増やしているので、この差は無くなってきているのかもしれませんが。
ちなみにマクドナルドも、ポテトで儲けていると言われています。
原価が公表されていないので、詳細は不明ですが・・・
こう考えるとオプションやセットで利ざやを稼ぐというのは、思っているよりも一般的なのかもしれません。
【2198】アイ・ケイ・ケイ
ブライダル業界は、ほかに上場している企業がいくつもあります。
自分はその中のアイ・ケイ・ケイに、実は注目していました。
アイ・ケイ・ケイは出店するときに競争の激しい都心部を避けて、地方中核都市へ展開しています。
これによって競争を避けられるだけで無く、地方の方が家族や親戚の結びつきが強いために、結婚式の出席者もおおく式単価が高くなる傾向にあるというメリットも享受していました。
正直な話をすると、エスクリよりもアイ・ケイ・ケイの方が、手堅いビジネスをしていると思っています。
しかし株価の関係からアイ・ケイ・ケイは投資対象とならず、結果的にエスクリへ投資する事となりました。
2019年3月期決算から
(百万円) | % | ||
売上 | 33,302 | 前年比 | 105.1 |
営業利益 | 2,191 | 前年比 | 112.4 |
純利益 | 1,078 | 前年比 | 161.9 |
全体として、増収・増益となっています。
ブライダル事業も建築部門も好調です。
ただ今後の業績については、何とも言えないんですよね。
というのもエスクリの決算は、受注件数と受注残をチェックすれば、ある程度これからの業績が読めるのです。
ただ今年は消費税増税による需要の先食いなどもあって、受注のブレが大きくなっており、予想が難しくなってます。
正直…増税は迷惑です。
そういった理由から、今年はドキドキしながら決算をまっている状況になってます。
来年の本決算後によい記事を書けるといいなと、祈っている状況です。
株主優待制度
エスクリの株主優待は、3月・9月に100株で権利確定となっており、内容としては以下の2つです。
- ウェディングアイテム 30万円分
- レストラン割引カード
1のウェディングアイテムは、40名以上の披露宴が成約した場合との条件があります。
また2のレストラン割引については、店舗が東京の青山と大阪梅田・沖縄にしかありません。
かなり人を選ぶ株主優待ですよね…
自分はいままでエスクリの優待を使ったこと、一度もないです。
まとめ
ブライダル関連事業は、オプション商法のために価格競争には発展しにくいと管理人は考えています。
ただしホテル等も結婚式を積極的に行っており、基本的には競争の激しい業種です。
しかしながら自分達の失敗を認められ、速やかに方向転換が出来る優秀な経営陣に支えられているエスクリは、その中でも生き残っていけると考えてこれからも株を保有していきます。
この会社は以前に大きな減益とストップ安があった為に、投資家から敬遠されており、いまも株価は割安で放置中です。
一度こういった連続ストップ安が起きてしまうと、余程の好決算でも出さない限り数年間は株価が低迷するケースが多いと経験的に感じています。
実際の決算はまずまずで悪くないと考えていますが、悪いイメージを払拭できるほどの好決算が出る可能性は低いでしょう。
消費税増税の影響も心配しています。
エスクリは過去の悪いイメージを皆が忘れるまで株価は低迷するでしょうが、いつか見直しがくると思いますのでそれまでゆっくりと待っているつもりです。
企業別の分析や理論株価はこちらでまとめてあります↓↓↓